of birth

狼の星座

(1975〜1976)
■ 中国史 長編
(全1428ページ)
■ 「狼の星座」は、実在の日本人馬賊、小日向白朗の人生を参考に、幼くして中国に渡った健作が、自衛団(馬賊)に拉致されながらも、その馬賊の中で頭角を表し、やがて小東洋という名で、いくつもの馬賊を束ねるまでに成長する、波乱の半生を描いた作品だ。 持ち前の冒険心と向上心、物怖じしない前向きの性格が、時としてユーモラスでさえある健作が、成長と共に、悩み苦しみ、時には幻覚に悩まされたりと、横山作品の中では非常にリアリスティックで人間くさい表現の多い部類の作品だが、それでも重くならず、テンポの良さと、ストーリーテリングの妙が光る作品でもある。 横山光輝は直接小日向氏に取材もし、作品にはもう一人の実在の日本人馬賊、伊達順之助のエピソードなども描かれ、なかなか知ることのない馬賊の様子が生き生きと描かれている。
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