of birth

ちぐさちゃん

(1956)
■ 少女 短編
(全64ページ)
■ たびたび洪水を起こす天竜川に、ダム建設がされることになった。しかし、地元の住民はその多くがダム建設に反対し、その先方を切っているのが地元の大地主、大和屋だった。大和屋は地域の農民達を扇動して、より高額な立ち退き料を稼ごうという腹だった。ダムの技師を務める山川の妹ちぐさは、ダム建設がどれだけの電気を生み、いかに世の役に立つのかという話を、熱心に村人に話して回った。村人が徐々にちぐさの話に耳を傾けてくれるようになった矢先、ちぐさは、もう村人に会うなと言う一団の男達から殴る蹴るの暴行を受けてしまう……作品の発表は56年、この年、天竜川に有名な佐久間ダムが完成しており、このときの補償交渉などを元に創案された作品。
S033