of birth

さよならママ!

(1962)
■ 少女 短編
(全99ページ)
■ 新校舎の落成式の時、泉かえでの学校に辻陽子という世界的なバイオリニストが演奏にきた。演奏に感動したたかえでは、友だちと一緒に陽子からサインをもらった。家に帰って自慢をするが、母は怪訝な顔をした。数日後、かえでは兄の健一と一緒のとき、偶然、陽子と出くわす。健一はなぜか陽子と知り合いのようだった。一方、陽子は、健一と一緒にいるのが昔別れた娘のかえでであることを知った。かつて陽子は、夫を事故で亡くした。そのとき娘を幸せに育てる自信をなくし、泉家に養女に出したのだった。海外でヴァイオリンの勉強を続け、成功して帰ってきた日本で自分の娘に出会った陽子は、愛情がわき出してきたのだ。だが、会社を経営する弟の鉄雄から、かえでの幸せのためにも諦めるよう諭され、後ろ髪引かれる思いで忘れる決心をする。そんなとき鉄雄が、かえでの現在の父が経営する泉産業について、心配な噂を聞き込んできた……57年の「母さん二人」のリメイク作品で、雑誌の予告には「ふたりのママ」というタイトルが付けられていた。
■ 「母さんふたり」のリメイク作品
S077